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プライバシーを洗い出す携帯電話の押収、捜査・監察の便宜より人権を優先すべきだ

プライバシーを洗い出す携帯電話の押収、捜査・監察の便宜より人権を優先すべきだ

Posted June. 26, 2019 08:12,   

Updated June. 26, 2019 08:12

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国会立法調査処が、政府省庁の公務員の携帯電話監察問題と関連して、「行政調査の限界を順守しなければならない」と明らかにした。携帯電話の監察が行政調査の形式でなされるため、法に則って目的達成に必要な最小範囲で実施しなければならず、その結果を刑事処罰など他の目的に使うには裁判所で家宅捜索令状の発行が必要ということだ。法的根拠もなく公務員の携帯電話を押収して調査することが一度や二度でない現実にブレーキをかけたのだ。

公務員の不正摘発に劣らず個人情報の保護も重要だ。大統領府民情首席室などで問題になったように、デジタルフォレンジックによって削除された情報まで復元する、事実上、捜査レベルの調査をするには、裁判所の令状が必要になるのは当然だ。

現代社会で、携帯電話は単に電話をかけて受ける通信手段ではない。スマートフォンが広く普及し、携帯電話は誰と会うのか、どんなことに関心があるのかなど所有者個人の内密なプライバシーを隅から隅までのぞき見ることができる通路になって久しい。そのような携帯電話を調査範囲の制約なく調査する現在の慣行は問題が大きい。

政府は、公務員本人が同意書にサインして提供を受けると説明する。しかし、公務員が所属機関や上級機関の監察部署の携帯電話の提出要求を拒否することが現実的に難しいという点で、これは令状のない強制押収に相違ない。令状がなければ携帯電話を受け取ることができないよう法に明示し、政府は法改正以前でも誤った監察慣行を根絶すると宣言しなければならない。

捜査機関が、企業など民間分野の携帯電話の家宅捜索で捜査範囲を超えた内容をのぞき見て悪用することも防がなければならない。検察、警察は、携帯電話を押収する時、令状の内容と関係のない内容も調査するという包括的な同意を取り付け、そうして得た手がかりを別件の捜査や自白強要手段に使うことが多い。これは、捜査対象者が包括的な同意を拒否すれば、携帯電話の調査が長時間にわたるという不都合がさけられないことを利用した便法の性格が強い。捜査対象者の人権侵害を防ぎ、防御権を強化する実質的な手段を考えなければならない。

さらに、携帯電話の監察結果や家宅捜索による不法流出を防ぐ方法も講じなければならない。通話記録やメールの内容が、恥をかかせるための不純な目的で利用されたことは少なくない。これは監察、捜査対象者本人だけでなく第三者にも深刻な被害をもたらすという点で厳罰を与える必要がある。