ウクライナへの全面侵攻を意味する軍事作戦の開始を表明したロシアのプーチン大統領の24日の緊急テレビ演説(写真)では、所々矛盾したり飛躍的だったりする発言があった。
プーチン氏は、「ウクライナ領土の占領については計画にない」としつつも、ウクライナ軍に向けて「直ちに武器を捨てて帰るよう求める」と述べた。軍事的に占領しないと言いながら、ウクライナ軍の降伏を迫ったのだ。
また、「ウクライナの(ドンバス地域)攻撃が差し迫った。ロシアはウクライナの脅威を容認できない」とし、「ウクライナの非軍事化と非ナチス化を目指す。ロシアを含む一般市民に対して血なまぐさい罪を犯した者たちを裁く」と警告した。
特別な根拠もなく、ウクライナ東部ドンバス地域の紛争状況をウクライナ全体に拡大し、ウクライナ政府をナチスドイツに例えた。ナチスは第2次世界大戦で、ウクライナ住民を大量虐殺した。また、「血なまぐさい罪を犯した者たちを裁く」という発言は、「ロシアがウクライナを占領した後、逮捕・監禁する人のリストを作成した」という米政府の主張が事実であることを証明する。
同日のプーチン氏の服装は、21日にドンバス地域の親ロシア派武装勢力の「ドネツク人民共和国(DPR)」と「ルガンスク人民共和国(LPR)」の独立を承認する公開演説時の服装と同じだと、英紙フィナンシャル・タイムズなどが報じた。24日の演説は、21日に事前に録画されたのではないかということだ。
同紙によると、プーチン氏は21、24日のいずれも白いシャツに黒いスーツ、赤色のネクタイを着用した。演説した場所と演説した位置も同じだ。プーチン氏が21日、「LPRとDPRが要請すれば、ロシア軍をドンバスに送る」と発言した2日後、LPR、DPRは支援を要請した。同紙は、もし2つの映像が同じ日に撮影されたなら、ウクライナ侵攻が脚本どおりに行われているという証拠になると伝えた。
シン・アヒョン記者 abro@donga.com