現代(ヒョンデ)自動車グループと米自動運転専門会社「アプティブ」の合弁法人であるモーショナルが、カーシェアリング会社のウーバーと共に自動運転の配送を開始した。モーショナルの自動運転配送サービスは、現代自動車の純電気自動車「アイオニック5」のロボタクシー(自動運転タクシー)を活用する。
モーショナルは17日、米カリフォルニア州サンタモニカで、ウーバーイーツ顧客に初の配送サービスを提供したと明らかにした。ウーバーイーツの加盟店の従業員は、モーショナル自動運転車が到着すると、通知を受け、指定された場所に注文を受けた食べ物を持っていく。特殊設計された車の後部座席に食べ物を乗せれば、車が配達場所に移動する。通知を受けた顧客は、ウーバーイーツアプリケーション(アプリ)を通じて、自動車のドアを開けて注文した食べ物を受け取る。自動運転車が、乗客輸送だけでなく、食べ物や物の配達も処理できるようになったのだ。
自動運転車で食べ物を配送するためには、乗車者と食べ物の両方を考慮した車両設計が必要だ。食べ物の種類と大きさ、温度、包装の形などが全て異なり、販売者と消費者が望む注文事項も多様であるからだ。一度に多くの注文を受けても、食べ物の温度を維持しながら効率的に配送することも必要だ。モーショナル側は、「寿司とピザの注文要件は大きく差がある。ブリトーを注文し、コーヒー一杯を注文する時、顧客が望む要求も全て違う」として、「食べ物と物をこぼしたり落としたりせずに運送できる空間を設計しなければならず、乗客の荷物とショッピングバッグも入れられるよう悩まなければならない」と説明した。
自動運転配送サービスに投入されるアイオニック5のロボタクシーは、昨年9月に初めて公開された。現代自動車グループとモーショナルは、ロボタクシーに米自動車工学会(SAE)の自動運転基準レベル4を搭載した。レベル4は、車両が自ら状況を認知し、判断して運転するだけでなく、非常時にも自ら対処できる。
モーショナルは昨年12月、ウーバーと配送サービスの協力を締結し、アイオニック5を自動運転配送ができるように改造した。以後、円滑な配送サービスを提供するために、飲食店と消費者の特性などを数ヶ月間研究した。米ロサンゼルスで大規模なテストも行われた。モーショナルは、今回のサービスが自動運転車の広範囲な活用事例を知らせるのに貢献するものと期待している。
ピョン・ジョングク記者 bjk@donga.com