「これから6、7、8月は、物価上昇率が5%を超える可能性が確定的だ。特に、国際穀物価格の上昇傾向が維持されれば、来年初めまで4%台は維持されるとみられる」
韓国銀行(韓銀)の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は26日、わずか1ヵ月で基準金利を年1.50%から1.75%に引き上げた後、このように述べた。手綱が緩んだ物価を抑えるために、約15年ぶりに2ヵ月連続で金利引き上げの強力な措置を取らざるをえなかったという意味だ。李総裁はさらに7、8月までに相次いで基準金利を引き上げたり、一度に0.5%を上げる「ビッグステップ」の可能性も示唆した。
●「数ヵ月間は物価上昇率が5%台」
韓銀は、同日発表した修正経済予測で、今年の消費者物価の上昇率を4.5%と提示した。当初、2月に予想した3.1%から1.4%も引き上げた。韓銀が4%台の物価予測値を出したのは、2011年7月(4.0%)以降10年10ヵ月ぶりのことだ。この予測値が現実化すれば、グローバル金融危機の真っ最中だった2008年(4.7%)以降、14年ぶりに最も高い年間物価上昇率になる。
李総裁は、「年末まで、国際原油価格が1バレル当り99ドルに下がり、ウクライナ事態とグローバルサプライチェーンの支障が正常化するという想定の下で、このような物価を予測した」と説明した。
ウクライナ事態などが予想より長期化すれば、物価はさらに高騰する恐れがあるという懸念が出ている。李総裁も、「国際原油価格が下がっても、穀物価格は上がっている」とし、「穀物価格は一度上がればかなり長く維持され、食料品などの生計物価に直接影響を与え、期待インフレを高める可能性が高い」と見込んだ。すでに5月の期待インフレ率(3.3%)は、9年7ヵ月ぶりの最高値を記録し、物価上昇の圧力を高めている。
李総裁は、来年も相当期間4%台の物価上昇率が維持されると見た。氏は「3月の予測の際は、インフレ率が上半期に高く、下半期から低くなる『上高下低』を予想したが、今の傾向を見れば、今年半ばを越えてピークに達する可能性を排除できない」と話した。
●「7、8月の連続引き上げを排除しない」
韓銀は、このような物価に対応し、今後攻撃的な通貨政策を予告した。市場が予測する年末の基準金利が2.25〜2.50%水準に上がったことについて、李総裁は、「物価が予想より大幅に上がったために、市場の期待が上がったのは合理的だと考える」と話した。
今年残っている4度の通貨政策方向会議で、少なくとも2、3度金利をさらに引き上げることができるという意味と解釈される。李総裁はまた、「7、8月に連続で基準金利を上げる可能性は、特定方法を排除せずに、今後出てくるデータを見て決める」と強調した。
韓銀が、4月と5月に続き、7月と8月にも金利を引き上げれば、4回連続で基準金利を引き上げることになる。韓米間の基準金利の逆転の懸念などを考慮すれば、ビッグステップの可能性も排除できない。これについて李総裁は、「ビッグステップについて言及したのは、すべての可能性を開いておくという原論的な意味だ」と話した。
昨年8月以降、9ヶ月間に基準金利が1.25%も跳ね上がり、「魂まで集めて投資」、「借金をしての投資」のために融資を受けた人たちも戸惑っている。基準金利が0.25%上がれば、融資を受けた人1人当りの年間利息負担は16万4000ウォンずつ増える。9ヵ月ぶりに利息の負担が82万ウォンも増えたことになる。すでに最高で年6%を突破した銀行圏の住宅ローンの金利は、7%台への進入を控えている。
李総裁は、「基準金利が0.25%上がる度に、家計負担は3兆ウォン、企業負担は2兆7000億ウォン増えると見ている」とし、「零細中小企業と自営業者など、脆弱階層の危険には政府と共に政策協力で対応しなければならない」と話した。
朴民優 minwoo@donga.com