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ペロシ氏の台湾訪問で一触即発の米中、試される韓国の外交手腕

ペロシ氏の台湾訪問で一触即発の米中、試される韓国の外交手腕

Posted August. 04, 2022 08:52,   

Updated August. 04, 2022 08:52

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台湾を電撃訪問したペロシ米下院議長が3日、台湾の蔡英文総統と会談し、立法院(国会に相当)指導部と会った。ペロシ氏は台湾に対する米国の支持を確認し、両国の交流拡大と半導体分野の協力強化の意向を明らかにした。中国に対しては、「ひどい人権侵害と法の支配無視が続いている」と批判した。

ペロシ氏の訪問は、軍事的対応を警告した中国が大々的な実射撃軍事訓練に入り、米国が非常状況に備えて空母と戦闘機を急派する一触即発の超緊張状況でなされた。懸念された武力衝突はなかったが、中国は台湾近海を包囲する異例の構図で高強度の海軍、空軍訓練を続けている。米国に対しても、「台湾問題で挑発する者は必ず頭から血を流すことになる」と強硬対応を予告した。

台湾をめぐる米中対立は、貿易と先端技術を越えて全方向に拡張した戦略競争がどのように武力衝突の危機に突き進むかを克明に示す。従来の覇権国家と台頭する新興国家の競争は、戦争が不可避な状態にまで衝突するという「トゥキュディデスの罠」を想起させる。中国は、約100社の台湾食品業者の製品の輸入を暫定停止し、建築、鉄鋼製造に使われる天然砂の輸出も停止するなど、事実上の経済報復も始めた。

最悪に突き進む米中対立は、韓国にも大きなプレッシャーとして作用するほかない。台湾海峡の危機の浮上で北朝鮮核問題の解決は後方に押され、米国から同盟の責務を要求される可能性がある。有事の際の在韓米軍の派遣、韓国内の中距離ミサイル配備だけでなく、困惑する選択に直面する可能性も高まる。経済分野でも「チップ4」同盟をはじめ、台湾との2国間、多国間協力で苦慮する変数が増えることになった。

ペロシ氏は台湾訪問直後に韓国にも訪れる。激昂した中国の反応がどこに飛び火するかわからない状況だ。政府と国会は、米国との協力を冷静に議論する一方、対外メッセージの発信には慎重であるべきだ。望まない外交紛争や対立に巻き込まれないようすべてのことに慎重に接近しなければならない。核戦争まで議論される台湾海峡での米中衝突の可能性と半導体安全保障の危機などの対応シナリオも綿密に点検しなければならないだろう。緻密な戦略的判断に基づいた懸命な対米、対中外交が求められる。