未曾有の物価高やドル高・金利高の「3高現象」により、投資や生産など企業の経営活動が相次いで萎縮している。ウォン安ドル高が進み、コスト負担が大きくなった企業各社は相次いで投資を保留・再検討したり、現金を集めて最悪の状況に備えた防波堤を積み上げている。
30日、財界によると、韓国国内の主要企業各社は最近、3高による経営環境の悪化や需要萎縮により、経営計画の見直しに追われている。LGは先月29日、3年ぶりにオフラインでの社長団ワークショップを開き、中長期経営戦略について議論した。これに先立って、三星(サムスン)も26日、社長団会議などを通じて経済懸案について話し合い、SKは今月中に「最高経営者(CEO)のセミナー」を開く計画だ。
国内外企業の投資も止まっている。現代(ヒョンデ)オイルバンクとハンファソリューションは先月、主要生産施設の設立計画を撤回すると相次いで公示した。米メモリ半導体企業マイクロンも29日(現地時間)、来年の投資計画を30%縮小することにしたと明らかにした。アップルは、新製品アイフォーン14の増産計画を最近撤回したことが知られ、29日は株価が4.9%急落した。
グローバル情報技術(IT)企業の投資が減り、国内主力輸出品目である半導体の生産は14年ぶりに最大幅で減少した。統計庁の「8月の産業活動動向」によると、8月の半導体の生産は前月より14.2%減少し、2008年12月(マイナス17.5%)以来13年8ヵ月ぶりに最も大きく減少した。今後の景気を予測する先行指数の循環変動値は99.3で、前月より0.2ポイント下落した。
経済環境が急速に悪化すると、政府は大企業の主要経営陣とともに会議を開き、対策作りに乗り出した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は30日、ソウル中区(チュング)の銀行会館で三星電子とSK、LG電子、現代自動車など大手企業の財務担当者が参加する「マクロ金融状況点検会議」を主宰した。尹大統領は、「世界的な金利引き上げと市場不安で、実体経済の減速が懸念されている」とし、「マクロ経済の金融専門家、主要企業の財務グローバル担当専門家と企業が現場で体感する困難を共有し、対策について考える」と話した。
宋忠炫 balgun@donga.com