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闘病中の坂本龍一、魂のこもった演奏を披露

闘病中の坂本龍一、魂のこもった演奏を披露

Posted December. 12, 2022 09:08,   

Updated December. 12, 2022 09:08

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「この形式での演奏を見ていただくのは、これが最後になるかもしれない」(配信前インタビュー)

濃い色のジャケットに黒いシャツ。1時間ほど行われた音楽家、坂本龍一(70)の配信ライブコンサートは、誰が見ても「終焉」を告げるムードだった。白髪に少し痩せた様子の坂本がコンサートで微笑んだのは一度だけだった。

11日正午に初公開された配信ライブ「Ryuichi Sakamoto:Playing the Piano 2022」は、2020年12月の無観客ピアノ・ソロコンサート以来2年ぶりの公演。昨年1月、直腸がんを公表した坂本は、これまで6度の手術を受けた。東京のNHK放送センターで収録した映像を配信する方法を選んだのも、「ライブでコンサートをやりきる体力がない」という坂本の意思が反映された。

映画「リトル・ブッダ」のOST「Improvisation on Little Buddha Theme」で始まり、全13曲の音楽が演奏された。序盤部は闘病生活の心境が反映されたように暗い曲が多かった。モノクロの映像で、坂本は前かがみで演奏にのめり込んだ。アルバム「L.O.L」のオープニングテーマと映画「トニー滝谷」のOST「Solitude」の寂しげなメロディは、魂がこめられたように重く、鮮やかだった。

コンサートのハイライトは、坂本の代表曲3曲が演奏された瞬間。「The Sheltering Sky」(映画「シェルタリング・スカイ」OST)、「The Last Emperor」(「ラストエンペラー」OST)、「Merry Christmas Mr.Lawrence」(「戦場のクリスマス」OST)が小枝のような細い指に乗って強烈に鳴り響いた。ラストエンペラーを演奏するクライマックスでは、坂本の荒い息が少し聞こえた。

坂本が一度微笑んだのはこの時だった。口をしっかりと結んでずっと固い表情だったが、「Merry Christmas Mr.Lawrence」を演奏し、宿題を終えた子どものようにしばらく穏やかな笑みを浮かべた。公演が終わると、坂本は、「ここに来て新境地かなという気持ちもあります」と語った。

コンサートは、12日まで韓国や日本、ドイツ、フランスなど30ヵ国に配信される。コンサートを視聴した人は、来年の坂本の誕生日1月17日に発売するアルバム「12」も視聴することができる。配信ライブチケットの料金は30ドル(約3万9千ウォン)。


金哉希 jetti@donga.com