「私の名前がヨンジンだと思ったらどうしますか?(笑)、でも『ヨンジン!」』をもう少し長く叫んでほしいです」
最近完結したネットフリックスシリーズ「ザ・グローリー」で、主人公の宋惠敎(ソン・ヘギョ、ムン・ドンウン役)ほど話題を呼んだ人が、ドンウンを苦しめる校内暴力の主導者パク・ヨンジン役のイム・ジヨンさん(33)だ。劇中のドンウンが叫ぶ「素敵だ、ヨンジン!」は、一つの「ミーム(meme)」になった。言葉の最後に「ヨンジン」をつけるコメント遊びが流行したりもした。17日、ソウル江南区(カンナムグ)のカフェで会ったイムさんは、「母までが、『ヨンジン、チゲ作っておいたよ。『いつ来るの?』とメッセージを送る」と笑った。
劇中のヨンジンはあらゆる悪事を犯しても、一抹の罪悪感さえ感じない。理解できない「絶対悪」であり、視聴者の公憤を買うキャラクターをイム氏は説得力を持ってこなした。イム氏は、「『私は何も悪いことをしていない、ドンウン』のような台詞があまりにも衝撃的で、(台本を)見ながら口が開いた」と話した。「努力なしにすべてを持っているからでしょうか。ただ知らないだけです。自分がどれほど悪いことをしたのか、それが被害者をどれほど傷つけたのか」
今回が初めての悪役挑戦だったイム氏は、「頭からつま先まで、本当に『悪い×』になろうとした」とし、「世の中の人々が皆ヨンジンを憎んでほしいという気持ちで、キャラクターを準備した」と話した。続けて「キム・ウンスク作家が、台本のリーディングをする時、私を置いて『天使の顔に悪魔の心臓を持った人のようだ』と話した。私が一瞬そのような姿を見せたようだ」と笑った。
「ザ・グローリー」は16日現在、世界のグローバルオンライン動画サービス(OTT)の視聴順位が、42ヶ国で1位を走っている。
イム氏は、映画「人間中毒」(2014年)を通じてデビューしたが、露出シーンに主に関心が集中し、以後出演した一部の作品では演技力をめぐる議論が起きたりもした。だが、「ザ・グローリー」のヨンジン役を通じて、その議論を一気に払拭したという評価だ。イム氏は、「台本を見た後、『これを嚙み下す』という考えで周辺に助言を求め、キャラクターを準備しながら撮影前にさらに忙しかった」と話した。
刑務所に行くことになった刑務所新参のヨンジンが嘲弄される最後のシーンは、演技ではあるが、特に大変だったという。イム氏は、「ヨンジンの言葉では、一生を刑務所の中で犯罪者にやられながら、自分が犯した悪行を返してもらうことだと考えた」と話した。
崔智善 aurinko@donga.com