米国政府が26日(現地時間)、韓米首脳会談を前に、中国が米国企業マイクロン社の対中国輸出を禁止する場合、サムスン電子、SKハイニックスなど韓国企業が中国の半導体不足分を埋め合わせないよう韓国政府に要請したことが分かった。バイデン政権が、中国への製品販売の制限してほしいと、対中半導体戦争への事実上の「参戦」を同盟国企業に初めて要請したのだ。米国がインフレ抑制法(IRA)や半導体産業支援法などを相次いで施行し、自国の利益を優先する方向にグローバルサプライチェーンを再編する中、政府が国内企業の懸念や被害をどれだけ最小化できるかが今回の首脳会談の成果の鍵となりそうだ。
英紙フィナンシャル・タイムズは23日、大統領室とホワイトハウスの議論に詳しい複数の情報筋を引用し、米国が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の国賓訪問を準備する韓国政府にこのような要請をしたと報じた。中国が最近、マイクロンが国家安全保障を侵害する恐れがあるとして調査に着手したことに伴う対抗措置だ。
大統領室関係者はこれを否定せず、「両国の協議の過程で韓国企業の被害が最小化されるよう最大限の努力をすることに変わりはない」と話した。米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の報道官も東亜(トンア)日報の質問に、「両国は国家・経済の安全保障、先端技術の保護に向けた米韓協力を深化させるために歴史的な進展を遂げた。このような努力には半導体分野の投資調整や核心技術の保護、経済的圧力への対応が含まれる」とし、「国賓訪問で、このすべての分野に対する協力が強化されることを期待している」と述べた。半導体規制とこれに対する中国の報復措置を受けて韓米が協力することが協議のテーブルに上がることを示唆したのだ。
北朝鮮の核対応や拡大抑止の強化など、いくつかの重要問題で米国の協力が切実な状況で、このような米国の対中圧力への参加要求は、会談を控えた韓国政府に大きな負担になるものとみられる。韓国の半導体業界でも、中国のマイクロンに対する調査が製品販売禁止に帰結する場合、中国の企業がサムスン電子やSKハイニックスの半導体を代替とする可能性が高いと見ている。政府が米国の要請に応じる場合、中国の圧力だけでなく、中長期的に中国が半導体の国産化に踏み切るという懸念も出ている。
尹大統領とバイデン氏は今回の首脳会談を機に、量子・人工知能(AI)・バイオ・宇宙など先端技術分野の協力を大幅に強化する方針だ。特に、韓米同盟を「先端技術同盟」に格上げすることなどが首脳会談の共同声明に盛り込まれる見通しだ。訪米期間中、両国の関連企業は半導体・バッテリー・電気自動車・バイオなど先端技術分野の協力を本格化するための様々な了解覚書(MOU)の締結を推進している。
申圭鎭 newjin@donga.com