日本が福島第一原発の敷地内にある処理水を海洋に放出する場合、１０年後に済州（チェジュ）南東の韓国海域に到達する放射性物質であるトリチウムの濃度は２０２１年の韓国海域のトリチウム濃度の１０万分の１レベルであると、政府が明らかにした。
方文圭（パン・ムンギュ）国務調整室長は７日、政府ソウル庁舎で記者会見を開き、「処理水の海洋放出が韓国に与える影響は微々たるもの」という内容が盛り込まれた政府の「科学・技術的検討報告書」を公開した。２１年８月に日本が海洋放出計画を発表した直後から独自の安全性検討に着手した政府は、今年５月に原発現場を訪れて核心設備を点検し、同日、独自の検討報告書を発表した。
政府は報告書で、処理水の海洋放出から４～５年後に済州付近の海域にトリチウムが微量に流入すると見ている。海洋放出の１０年後には済州南東１００キロ地点の海上のトリチウム濃度が１立方メートル当たり約０.０００００１ベクレル（Ｂｑ）に達すると分析された。これは「２１年に測定された韓国海域の平均トリチウム濃度（１リットル当たり０.１７２ベクレル）の１０万分の１レベル」と政府は明らかにした。
トリチウムを除く６２種の放射性物質は、東京電力の浄化施設「多核種除去施設（ＡＬＰＳ）」で十分に浄化できるというのが政府の結論だ。政府は報告書で「（東京電力が）１３～２２年、毎年１回ずつＡＬＰＳを通過した処理水の６２種の放射性物質の濃度を分析した」とし、「その資料を分析した結果、ＡＬＰＳの性能が安定化し、１９年５月以降、『排出基準値』を超えたことはなかった」と明らかにした。
地震などの発生で汚染水処理施設の電源が切れたり、設備が故障したりする場合、処理水の海洋放出を防ぐことができる制御装置も用意されているという。東京電力が処理水を海洋放出する前に少なくとも８段階に渡って放射能の数値を点検し、「基準値」を超えた処理水の海洋放出をいつでも中断できるようになっている。
政府は検討の結果、日本側に「浄化施設のフィルターの点検周期の短縮」、「５つの放射性核種に対する追加測定」、「住民被ばく線量の評価・公開」など、安全な海洋放出に向けて勧告したと明らかにした。
政府は、「汚染水の処理が計画通りに守られれば、国際的な放出基準と目標値に適合する」とし、「計画が適切に履行されるか確認していく」と述べた。政府は、韓国原子力安全委員会と日本原子力規制委員会の情報共有のための「ホットライン」を設置することを検討している。日本の処理水の海洋放出計画が科学的に安全であるというＩＡＥＡの最終評価報告書についても、政府は「原子力安全分野で長年の専門性と代表性を持つ権威ある機関であり、報告書の内容を尊重する」という立場を明らかにした。
コ・ドイェ記者 シン・ギュジン記者 yea@donga.com · newjin@donga.com
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