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「ゴールデンタイムに迫ったが」 モロッコ、4ヵ国の支援のみ受け入れ「救助空白」

「ゴールデンタイムに迫ったが」 モロッコ、4ヵ国の支援のみ受け入れ「救助空白」

Posted September. 12, 2023 08:38,   

Updated September. 12, 2023 08:38

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「誰も私たちを助けに来てくれません」

8日(現地時間)に北アフリカのモロッコ南西部付近で発生したマグニチュード6.8の強震で、11日現在、少なくとも2200人が死亡した。生存者を救出できる72時間のゴールデンタイムが終わりつつあるが、救助の手はほとんど届いていない。

10日、地震の被災地であるアトラス山脈のある村では、男性5人が土砂とレンガだけが残る家屋跡で、がれきの下敷きになった家族を探すため、つるはしで土を掘っていた。すでに家族3人の遺体を収拾したが、行方不明の家族が多く、自らつるはしを手にしたのだ。米紙ニューヨーク・タイムズは、「この男性たちは軍手もはめずにたった2本のつるはしを使って巨大な土の山を掘った」と伝えた。素手でがれきの下敷きになった人々を引きずり出していたアブデルザリル・ラムグラリさん(33)は、「誰かが助けに来てくれるなどと、ただ待つことはできない」と同紙に語った。住民のアブデサマット・アイト・イヒアさん(17)は、「私たちが望むのは助けだけなのに、政府や救援隊員を目にしたことはない」と話した。

近くの村に住むラチッド・ボウディさんも、2日間夜を徹して住民と自力で救助活動を行った。9体の遺体を収拾する間、救助当局の助けは一切受けなかった。ボウディさんは、「悲しみと疲労が重なり、一人でも多く救助したいという気持ちが薄れてきている。飲み水と食料がなくなり、電気も止まった」と話した。

地震被害は険しい山岳地域に集中しており、救助隊の接近が容易でない状況だ。地震のがれきと落石で道路まで寸断され、救援物資の配給もヘリコプターでしかできないほど劣悪だ。史上類を見ない大惨事で外部からの支援が切実な状況にもかかわらず、モロッコ政府は、「救助活動に混乱が生じる可能性がある」として、海外の救助隊の支援を受けることに消極的な態度を示している。

地震発生直後、フランス、米国、アルジェリア、イスラエル、台湾など多くの国が手を差し伸べたが、モロッコ当局はこれらの国の救助人員を受け入れていない。平素から友好関係を維持してきたスペイン、カタール、英国、アラブ首長国連邦(UAE)の4ヵ国からの支援提案のみを受け入れている。

国王中心の強力な中央集権統治が維持されているモロッコは、国王が首相を事実上指揮する。国家危機時に国王の役割が重要だが、モロッコ国王であるモハメド6世は地震発生12時間後に初めて「軍隊に救助のために努力するよう指示した」という短い声明を発表した。海外政府と民間団体が「地震現場に救助隊を直ちに派遣する準備ができている」と明らかにしたが、モロッコ当局は「まだ国王の承認が下りていない」とだけ繰り返し、ゴールデンタイムを逸している。


マラケシュ=キム・ギユン特派員 イ・チョンア記者 clearlee@donga.com