「充電スタンドが、電気自動車の墓場に変わっている」
17日(現地時間)、氷点下20~30度を下回る「北極寒波」に苦しむ米シカゴの電気自動車の充電スタンド。厳しい寒さの中、バッテリーが早く減ってしまったテスラ電気自動車数十台が、次々と充電を待っている。順番を待つていたところ、ついに放電してしまって持ち主が捨てていったテスラの車もかなり目立つ。
米フォックスニュースやニューヨークタイムズ(NYT)などが、ソーシャルメディアを引用して報じた「テスラの墓」の映像は、現在、寒波に見舞われている米北東部で落胆している電気自動車の持ち主の現実をよく示している。氷点下の天気のせいでバッテリーはすぐに底をつき、充電も普段より2~3倍以上長くかかる。そのため、最近、充電スタンドを一度利用するためには4、5時間がかかるのが日常となっている。NYTは、「寒波に見舞われた電気自動車の充電スタンドは、大通りまで長く並んだ自動車を引きずりながら気をもむ運転者の『絶望の現場』になってしまった」と伝えた。
2023年型テスラの「モデル3」を保有しているジョセリン・リベラ氏は、最近、毎朝充電スタンドに行かなければならない。モデル3は、元々30分充電すれば273マイル(約440キロ)の走行が可能だが、寒波で一晩中バッテリーの3分の1が消えるからだ。彼は、「もうこれ以上、テスラに乗りたくない」と悔しがった。
イリノイ州オークブルックの充電スタンドで会ったテスラのオーナー、タイラー・ビアード氏も同じだ。彼はフォックスニュースとのインタビューで、「昨日も3時間、今日も3時間もかけて充電した」とし、「これは完璧な災難だ」と、怒りを爆発させた。
他の電気自動車の持ち主も、寒波によって「充電難民」になっているのは同じだ。シボレー「ボルト」を運転するウーバーの運転手は、「再充電に5時間もかかった」とNYTに伝えた。ソーシャルメディアには、夜中に凍りついてしまってドアを開けられなかったり、牽引さえあきらめた電気自動車の車両が並んでいる映像が話題となっている。
専門家によると、従来の内燃機関車も、寒波の状況ではバッテリーの放電が頻繁になる。しかし、電気自動車は、バッテリーが減る速度がはるかに速くなるだけでなく、バッテリーの陽極と陰極の化学反応まで遅くなり、充電も難しくなる。NYTは、「ただ、寒さが日常の北欧の場合は、電気自動車の充電インフラがよく整っており、寒波に見舞われても(米国のような)充電大乱は起きない」と指摘した。
金玹秀 kimhs@donga.com