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「ロシアのスパイが戻ってきた」 欧州各地で殺害・世論操作事件が続発

「ロシアのスパイが戻ってきた」 欧州各地で殺害・世論操作事件が続発

Posted February. 22, 2024 08:37,   

Updated February. 22, 2024 08:37

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「ロシアのスパイが戻ってきた」(英誌エコノミスト)

ソ連時代に「KGB(国家保安委員会)」として威勢を誇ったロシアの情報機関が、プーチン大統領の全面的な支援の下、過去の存在感を取り戻そうと奮闘している。ウクライナ侵攻当時、「戦争は数日以内に決着がつくだろう」と誤った判断をするなど大恥をかいた情報機関が、最近、大々的な改革を行い、様々な海外作戦に乗り出したという。特に、13日にウクライナに亡命したロシア人パイロットがスペインで殺害された事件に介入した疑いなどが浮上し、冷戦時代のKGBの「影の戦争(shadow war)」の復活を狙っているという観測も流れている。

● クレムリン宮が情報機関の改革を主導

英誌エコノミストによると、ロシアの3大情報機関である連邦保安局(FSB)、対外情報局(SVR)、軍参謀本部情報総局(GRU)は、ウクライナ戦争前から分裂と無能で国際的に軽視されてきた。16日に獄中で不審死した反体制派指導者のナワリヌイ氏を2020年に毒殺しようとしたが失敗した。22年にはウクライナを過小評価し、23日で2年目を迎える長期戦を招いた。長年のライバルである米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が先月、外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」の寄稿文で、「ロシアのおかげでCIAの採用機会が増えた」と嘲笑したほどだ。

しかし、最近、ロシアの情報当局が過去の過ちを教訓にして大々的な改革に乗り出す動きが見られる。英王立防衛安全保障研究所(RUSI)は20日、報告書で、「セルゲイ・キリエンコ大統領府第1副長官が率いる『特別影響力委員会(GRU)』が主導している」と伝えた。GRUは最近、一連のロシア軍の情報流出を戦争不振の深刻な原因と指摘し、主要部隊でスマートフォンの使用を厳しく禁止した。

エコノミストは、「最近、欧州連合(EU)の分裂を狙った一連の事態もGRUの動きと関連している」と分析した。ウクライナ西南部の旧ソ連国家であるモルドバが昨年、EU加盟を推進した際、モルドバ大統領に対する虚偽情報が突然急増したのも、ロシアの情報当局が関与した可能性が高いという。

最近、ドイツ外務省は昨年12月20日から1ヵ月間、ロシア政府機関のプロパガンダをドイツ語で掲載したX(旧ツイッター)のアカウントを5万個以上確認した。フランスとポーランドも12日、ロシアのオンライン世論操作ネットワーク「ポータルコンバット」に対する共同対応を予告した。

● NATO崩壊を狙う「影の戦争」

ロシアの情報機関の最優先課題は、北大西洋条約機構(NATO)内部の亀裂の拡大だ。戦争相手であるウクライナに対する支援を弱めるためだ。RUSIは、「ロシアの情報機関がこのために英国など欧州各国の選挙に介入する準備をしている」と警告した。

これらの機関が冷戦時代にあったような冷酷な作戦に乗り出す兆候もすでに発見されている。ウクライナ戦争中に反旗を翻して亡命したロシア軍パイロット、マキシム・クズミノフ氏が13日、スペインで殺害された事件も、ロシア情報当局が現地マフィアと共謀して起こしたとみられている。英紙タイムズは、「クズミノフ氏の死は、ロシアの情報機関の冷酷さを示す事件であると共に、ウクライナ侵攻後、情報機関が復活している兆候だ」と報じた。

特に最近は、東欧で様々な作戦を展開している。エストニア政府は20日、「ロシアの情報機関の指示を受けて内相の車を破壊した容疑でエストニア人とロシア人10人を拘束した」と発表した。カヤ・カラス首相は米CNNのインタビューで、「私たちに対してロシアが影の戦争を行っている」と述べた。

KGB出身のプーチン大統領の性格上、情報機関の復活は一過性にとどまらないとみられる。エコノミストは、「スターリン時代に強力だった秘密機関の栄光を取り戻そうとしている」とし、「ロシアの情報機関はこれまで以上に危険な状態」と警告した。


洪禎秀 hong@donga.com