北朝鮮が、米国の金融制裁から逃れるための脱出口を確保するため、開城(ケソン)工業団地のウリ銀行支店に口座開設を要請していたことが、18日確認された。
政府は、統一部、財政経済部、外交通商部、国家情報院の関係者が参加する関係機関会議を開き、これを受け入れるかどうかを論議したが、最終結論は下されなかった。
対北朝鮮筋や野党ハンナラ党の権寧世(クォン・ヨンセ、国会外交通商委員会)議員によると、開城工団の北朝鮮中央特区開発指導総局は昨年12月、開城工団のウリ銀行支店に口座開設を要請したという。
米国が昨年9月、マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)銀行を北朝鮮の資金洗浄窓口と指摘し、同銀行の北朝鮮口座を凍結するなど、北朝鮮に対する金融制裁を強化した時だった。
総局は当時、開城工団の韓国側管理委員会に、「開城工団の韓国労働者から所得税を徴収し、公団の北朝鮮労働者の賃金を楽に集金するために、ウリ銀行支店の口座を使用したい」という考えを伝えた。
当時ウリ銀行は、北朝鮮側の要求を一旦拒否した。政府は、米国の北朝鮮に対する金融制裁政策と開城工団のウリ銀行支店の口座開設が、法的に背馳する面があるかどうかを確認するため、米国の弁護士の選任を推進した。
口座開設が引き延ばされるや、開城工団内の北朝鮮国家安全保衛部の要員は今年2月、公団の韓国側管理委員会に、「口座が開設されなければ、銀行の支店を閉鎖する」という圧力をかけてきたという。
政府は3月、同問題でウリ銀行とともに関係機関対策会議を開いた。この席では、口座開設不許可論が多かったものと確認された。
国家情報院は、「米国の明示的な理解がまず確保されなければならない」という意見を明らかにし、外交部も、「米国との協議が負担になる。北朝鮮は、『米国の金融制裁にもかかわらず、同じ民族同士協力する』と宣伝する可能性がある」と憂慮した。
これに先立ち、米財務省金融犯罪取締チームは、今年1月23日に訪韓し、政府関係者に北朝鮮の偽ドル流通および資金洗浄の実態を説明する席で、北朝鮮とウリ銀行が金融取引をすることに憂慮を示したという。
しかし、政府は18日現在、ウリ銀行の口座開設問題は最終決定されていないと明らかにした。政府関係者は同日、「3月の会議で口座開設に否定的な意見が多かったのは事実だが、北朝鮮との関係などを考慮して、結論は下さなかった」と述べた。
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