Go to contents

[オピニオン]うつ病

Posted April. 20, 2007 08:10,   

한국어

人生が面白くないと感じ、下記のような症状が2週間以上続いた場合は注意してください。特に痛いところもないのに体重の変動が激しい。よく眠れない。いつも疲れている。なかなか集中できない。自分がいやになる。死にたい…。世界保健機関(WHO)のクリストパー・マレー博士が開発したうつ病のチェック・リストだ。世界人口の4〜10%程度が病んでいて、誰もがかかる可能性が20%にもなるのに、「病気としては認めてもらえない」という静かな病気だ。マレー博士は、「2020年になると、心臓動脈疾患の次に多い病気が、うつ病になるだろう」と語った。

◆米バージニア大学での銃乱射事件の容疑者チョ・スンヒを指導したルシンダ・ロイ教授は、彼が確かにうつ病を患っていたようだったと話した。韓国の移民の1.5世代という環境や、銃への簡単なアクセスなどが原因として取り上げられているが、同じ環境だからといってみながうつ病にかかるわけではない。その原因は遺伝子のためだ。科学ジャーナル誌「サイエンス」は03年、「セロトニンという、人の気分を左右する科学物質を司る5−HTTという遺伝子に異常が生じた人が、適切な環境に出会った場合に、うつ病が現れる」と主張した。

◆そうであるなら、すこし戸惑ってしまうこともある。ひどければ自殺、もっとひどければ今回のように大量虐殺まで行い得るうつ病が、自分の意志とは関係のない遺伝子、そして自分の力ではどうしようもない環境のためなら、うつ病にかかったか心配になっても高血圧や糖尿病のように、他人には打ち明けづらい。「気持ち次第」とか「我慢ができなくて…」といったように、決まった言葉を聞きたくないから、なおさらそうだ。だから、患者の90%はまともに治療もしないでもっと病気をこじらせている。

◆問題がある限り、解決策もあるはずだ。生まれつきの遺伝子はどうすることができなくても、製薬会社ではセロトニンを刺激してうつ病を治療する抗うつ剤を開発した。1980年代末、「プロジャク」が開発されて以来、米国の自殺率が15%も減ったという調査もある。薬物代わりに言葉を交わす「トーク治療」も、抗うつ剤と同じような58%の治癒率を見せた。憂鬱そうに他人のせいや環境のせいばかりにするのか、それとも、それが「心のかぜ」だということに気づいて、治せる道を探すのかは、結局のところ自分にかかっている。

金順鄹(キム・ドクスン)論説委員 yuri@donga.com