「中南米のCNNになるだろう」
「いや、中南米のアルジャジーラの役割を果たすだろう」
中南米の24時間ニュース専門チャンネルとしてスタートする「テレスル(Telesur)」に対する世界の関心が高まっている。24日、第1回試験放送を無事に終えたテレスルは、アルジャジーラ放送がアラブの声を代弁するように、中南米の眼でニュースを伝えることを明確にした。
早くも米国は、同放送が中南米に反米感情を拡散させる尖兵の役割をする可能性があると憂慮している。
▲米国には敵対的〓テレスルの発足に対して中南米では、「ラテンアメリカのCNN」が誕生するとして、概ね歓迎するムードだ。
ブラジル内のテレスル放送を担当するベト・アルメイダ氏は、「中南米地域住民のための『公論の場』の役割を果たす」と述べ、期待感を示した。
しかし、テレスルの誕生を眺める米国は複雑だ。「転覆の軸」として反米の旗を掲げたベネズエラとキューバが、それぞれテレスルの株式の51%、19%を保有し、主導的な役割をしているためだ。
バウチャー米国務省報道官は23日、「ベネズエラのチャベス大統領とキューバのカストロ国家評議会議長が、米国に対抗するための道具として利用できるという点を憂慮する」と述べた。
ワシントン・タイムス紙は10日付で、「テレスルは、南米のCNNになることはできず、自由を抑圧する独裁者たちの政治的道具になるだろう」と報じた。
ウルグアイ出身のマスコミ関係者で、反米性向のアラム・アロニアン局長がテレスルの総責任者である点も、米国としては好ましくない事態。アロニアン局長は米国を「敵」とし、イラク戦争を「解放戦争」ではなく「大量虐殺の戦争」と表現していた。
アロニアン局長は3月、日刊紙ニューヨーク・サンとのインタビューで、「アルジャジーラはアラブの見解を伝えることを望み、テレスルはラテンアメリカの見解を伝えることを望む」と述べた。
▲最大株主はベネズエラ〓テレスルは6月24日まで試験放送を続けた後、9月中旬に完全に開局する予定だ。
スペイン語とポルトガル語で製作される放送番組の40%は中南米各国のメディアが送るニュースを放送し、60%は中南米社会や文化を伝える独自の製作物となる予定だ。
李浩甲 gdt@donga.com