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[社説]北朝鮮核の深刻性、国民も再認識しなければならない

[社説]北朝鮮核の深刻性、国民も再認識しなければならない

Posted October. 05, 2006 07:12,   

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民族最大の行事である秋夕(チュソク=旧暦のお盆)連休を控え、北朝鮮は一昨日、「核実験を実施する」という「爆弾宣言」を南の同胞に送った。株価が落ち、事実上確定した潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官の国連事務総長選出も、ともすればお流れになるかもしれないという憂慮すら出ている。「同じ民族」は、実は「北朝鮮の身勝手」という意味であったことが、重ねて確認された。

北朝鮮の核実験は、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両政権が天のように仰いで推進してきた「太陽政策」の総体的破綻を雄弁に物語る。すでに「ミサイル花火」で国際的孤立を招いた北朝鮮が、「核の火遊び」をすると宣言するや、米国と日本は「断じて容認できない」として、金融・貿易制裁や海上封鎖、さらには武力攻撃まで検討する可能性を警告した。太陽政策の「精神」どおりなら、韓国政府は国際的に孤立した北朝鮮を支えなければならない負担まで背負うことになった。

核保有宣言を通じて北朝鮮は、「核クラブ」に加入したインドやパキスタンの先例を踏むという考えのようだが、錯覚である。むしろ、日本の核武装だけをあおぎ、北東アジアを無限の軍備競争に陥れるだろう。中国も北朝鮮の核武装には強く反対している。「韓半島政策を再調整しなければならない」という非公式反応を示しているのもこのためだ。

韓国にとって「悪夢のシナリオ」は、一部の専門家たちが分析するように、米国が北朝鮮の核保有を事実上黙認し、技術移転と対外販売、大陸間弾道弾(ICBM)開発などの核拡散だけを防ぐ「封鎖政策」を選ぶ可能性だ。「核兵器が米国まで届かなければいい」という前提の下でである。このようなシナリオが現実になれば、韓国は、北朝鮮の核を枕として暮し、日本の軍事大国化には何も言えず、眺めなければならない境遇になる。

外交的破綻の責任は、自主のスローガンに埋没し、北朝鮮がミサイルを打とうが核を開発しようが、裏金を与え、必死になってなだめることに没頭してきた政権にある。「6者協議」さえ開けばすべてが解決されるようにしがみついてきたことからが、錯覚だった。北朝鮮に核を開発する時間だけを稼がせた。第2次世界大戦の直前、英国がヒトラーをなだめるために国際会議にドイツを引き入れようとしたが、結局は侵攻された歴史を思い起す。

にもかかわらず、北朝鮮の核実験宣言後、政府は外交部報道官声明で、「すべては北朝鮮の責任」という曖昧な発表だけをした。与党も「対話だけが解決方法」という「レコード」をかけるだけに止まった。これまで政府は、「北朝鮮の核実験に備えた対応策がある」と大口をたたいていたが、北朝鮮の急変の事態に備えた韓米間の「作戦計画5029」論議まで中断した状態で、何の手段があるのだろうか。また米国の袖をつかんで、「北朝鮮を殴らないで」としがみつくのか。

昨今の事態は、国民の安保不感症に対する憂慮も育てている。国民の80%以上が「戦争が起こるはずがない」と信じているが、国際的にも国内的にも窮地に追い込まれた北朝鮮政権が「切羽詰った選択」をする可能性を考えると、ぞっとする。「南北関係だけうまくいけば、あとはどうでもいい」、「核とミサイルは自衛手段という北朝鮮の主張にも一理ある」という盧大統領の危険な安保観を放置した責任は、国民にもある。

さらに手遅れになる前に、韓国外交の方向を全面転換しなければならない。その第一歩は、米国および日本との協力回復だ。「先軍で韓国を守る」と宣伝した北朝鮮が、遠からず「核兵器で韓国同胞を守る」と出た後では、万事が終わる憂慮が大きい。