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米国産牛肉問題、FTAに飛び火か 米農務長官が韓国を非難

米国産牛肉問題、FTAに飛び火か 米農務長官が韓国を非難

Posted November. 30, 2006 06:49,   

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韓国政府が先月末、搬入された米国産牛肉に対して「検疫不合格」判定を下したことに対し、米国農務長官が、「このような状況では韓国と貿易することができない」と強く批判している。

韓国は先月30日、仁川(インチョン)国際空港に到着した米国産牛肉を精密検査した結果、爪ほどの大きさの骨片が発見され、24日、通関不合格判定を下したことがある。

これによって、韓米自由貿易協定(FTA)第5次交渉など両国間通商・貿易摩擦がさらに深まるだろう、との見方が強まっている。

●米国「これでは貿易できない」

「9㌧を超える牛肉の中から、あんなに小さい軟骨のかけらを捜し出すほどややこしく検査しなければならないとは…失望した」(チャック・ランバート米農務省副次官)

ランバート副次官が27日、「韓国政府がこの問題を扱う方式に失望した」と非難したのに続き、28日には、マイク・ジョハンズ農務長官まで出た。

ジョハンズ長官は記者団に「韓国は我々が同意していない基準を作り出した(invent)。彼らは小さな軟骨のかけらを捜し出したが、それが誰にも危険でないという事実にもかかわらず、彼らもそれを認めながらも、船積み物量全体を拒否した」と主張した。また、「韓国は検査にだけ3週間を所要した。このような状況では貿易をすることができない」と主張した。

韓国は、牛海綿状脳症(BSE)事態以前は、年間12億ドル(約1兆1400億ウォン)分の米国産牛肉を輸入し、日本(14億ドル)に続いて二番目に大きな市場だった。

もちろんこのような強い非難は、米国の牛肉輸出業界および彼らを代弁する議員たちの不満を勘案したものとみられる。しかし、その根底には、「国際貿易上、サンプル調査は常識なのに、一体米国産牛肉に対しそのようにややこしくする理由は何か」という不満がある。

エミー・ジャクソン前通商代表部(USTR)副次官補は28日、ある討論会で「米国の観点からみれば、これは韓国が牛肉を輸入すると言ってからルールを変えたもの」と主張した。

米マスコミも、「韓国をはじめとするアジアの一部の国々は骨のない牛肉の輸入のみを許容しているが、これは国際安全基準より厳しいもの」と報道している。

●両国の主張は対立

米政府と業界の主張は一言で、「韓国の検疫基準が非常識的に厳しい」ということに要約される。

韓米両国は今年1月、「30カ月未満の牛の骨をとり除いた赤身」のみを輸入すると合意した。しかし、何tにもなる牛肉を全部X線検査までして、爪の大きさの骨片が発見されたと言って通関をさせないのは行きすぎた措置、というのが米国側の主張だ。

韓国政府も、牛の頭蓋骨と脊椎を除いた骨が、BSEを誘発する可能性がある危険物質ではないということは認める。

にもかかわらず、輸入再開条件で骨を除いたのは、骨の中にBSE危険物質である脊髓が入っているかも知れないという一部学者たちの指摘があったためだった。

このような条件は、輸入物量自体を減らす効果ももたらす。

輸入が禁止される前の03年に輸入された米国産牛肉は、約66%が骨付きのカルビだった。骨を除いたカルビ肉だけ持ち込むようになれば、輸入量が減るのだ。

農林部の関係者は、「40kgのカルビ1ボックスから肉だけを取れば、8〜10kgが残る」と言った。

農林部も、骨片が発見された後、処理をどうすればいいか悩んだが、韓米合意が厳然にある状況で、「大目にみた場合」、韓国内で反発が大きくなることを憂慮し、原則どおり通関不合格判定を下した。

●韓米FTA交渉にも影響

米政府の強い不満が貿易政策でどのように表れるか判断するにはまだ早い。しかし、韓米両国の貿易に悪影響を及ぼす可能性が高いことは事実だ。

ある通商専門家は、「米国が韓国産輸入品に対し、全量を精密調査し、とても小さなことまで摘発し始めたら、おびただしい通商紛争が起きかねない」と指摘した。

牛肉検疫問題はただちに、来月初め、米モンタナ州で行われる韓米FTA第5次交渉でも焦点になるとみられる。

米国が衛生検疫分科交渉で、牛肉に対する検疫条件の緩和を強く要求する可能性があり、これと別に、牛肉に対する関税(40%)の撤廃を要求する圧力も激しくなる展望だ。

事態がさらに悪化すれば、韓国企業が対米輸出で不利益を受ける可能性も排除できない。このため、企業は公には何も言えないが、内心苦心している。