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[社説]陰湿な政治を追い出そう

Posted December. 26, 2006 07:25,   

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今年も、国民が大統領と政治を心配した一年だった。大統領の独善と洗練されていない言行は、国民を不安にさせ、政権続投に目がくらんだ与党の政界再編の動きは、民生苦に苦しむ国民をさらに苦しめた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領自ら、任期をまっとうしない可能性もあるように言ったりし、実現の可能性もない挙国内閣を再び取り上げることで政界を揺さぶり、国民をごまかした。歳末に飛び出した盧大統領の暴言は、この完結編である。

政治の要諦は、国民の心を温め、満腹にさせることにある。インドの初代首相だったジャワハルラル・ネルーは、「国民の目から涙をぬぐうのが政治だ」と語った。しかし、韓国は逆である。国民が、大統領と政治のために一日も安心する日がない。いつまでこれが続くのか。韓国社会の代表的な元老である金ジュンソン(現イスグループ名誉会長)元経済副首相とカトリックの鄭義采(チョン・ウィチェ)モンシニョールは、送年のメッセージで「国民の役割」をうまく果たすしかないと述べた。

金元副首相は、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「国民が力を合わせて政治を牽制し、政治が従わざるを得ないように導かなければならない」と述べた。国民が気を引きしめ、扇動と敵味方に分ける陰湿な政治が韓国社会に染みこまないよう、「太陽」の役割をしなければならないということだ。金元副首相は、「次にいかなる政権になっても、経済政策の樹立に集中する政治社会的なムードづくりをしなければならない。国民がこのようなムードをつくっていかなければならない」と強調した。

鄭モンシニョールは一昨日、あるマスコミに送った電子メールで、盧大統領の暴言を心配し、「現在の統治スタイルを維持すれば、法的には大統領だが、実質的には『国民の大統領』ではなく『派閥の大統領』になる恐れがある」と警告した。そして、全国民が気持ちを整え、希望に満ちた新年を迎えようと訴えた。世界の最貧国から世界ベスト10の経済大国に手が届くようになったその底力で、再び世界を驚かすモデルを作ろうと述べた。彼も、国民に期待をかけたのだ。

盧大統領と与党は、来年の大統領選挙で、政権続投に死活をかけている。大統領の参謀たちは連日、大統領府のホームページを「政治広報」で塗りつぶしている。盧大統領が、「高建(コ・ゴン)首相の起用は失敗した人事だ」と言った発言に対する説明や、これに対する高元首相の反発に対する反論に余念がない。国民の税金で運営される「大統領府ホームページ」が、このような低級な政治工学的論争に使われなければならないのか疑問だが、そのような情熱の10分の1でも国民の背筋を伸ばすことに注いだなら、国がこのような状態にはなっていないだろう。結局、「国民の役割」をうまく果たすほかない。それが、暮れる丙戌年、韓国政治が与えた教訓である。