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ラオスの教科書に太極旗マークくっきり 「韓国から送られた本です」

ラオスの教科書に太極旗マークくっきり 「韓国から送られた本です」

Posted January. 06, 2010 09:11,   

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授業をやっている様子を見学したいと話したら、教頭は即座に5年1組の教室に案内した。ラオスの学校制度は、小学校=5年、中学校=6年であり、中学教育は韓国の中学高校課程に当たる。ラオスの中学5年生は、韓国では高校2年生に当たる。

生徒45人が物理を学んでいた。教師が、「ユニア・フム(教科書をご覧なさい)」と話すと、生徒らは教科書を手にした。見慣れた文様が、教科書の裏側に描かれていた。韓国国際協力団(KOICA)が、中学教科書の普及事業を支援したという内容の紹介と共に、太極旗(テグッキ=韓国国旗)が鮮明に印刷されていた。

KOICAは07年から、300万ドル(約36億ウォン)を支援し、昨年まで、中学4、5、6学年(韓国の高校1、2、3年生)に13科目=236万冊と、1、2、3年生の国語教科書30万冊の計266万冊を印刷し、全国に配布した。国定教科書の普及事業は成功裏に終わった。

最近、ラオス政府は、中学の教科過程を新たに改正することを決めた。新たな教科書が必要になったのである。しかし、ラオス政府の能力だけでは、新教科書はなかなか普及できないのが現状であり、KOICAに対し追加の教科書支援事業を要請してきている。

自動車に乗って再び東北側に移動した。山岳の道が出る。舗装してないので凸凹している上、ひどく曲がりくねっており、車酔いした。道路にはセンターラインもなく、向かいの車とぶつかりそうになった。2時間ほどが過ぎ、バンビエンに到着することができた。奇岩絶壁や美しい川があり、旅人たちが好んで訪ねるところでもある。

バンビエンの中心部から再び車で15分ほど行くと、野原に、KOICAが少数民族の生徒や孤児たちのために建設したバンビエン民族中等技術学校が姿を現した。KOICAが08年から2年間、289万ドル(約34億6800万ウォン)を支援して、昨年11月26日に開校した寄宿学校である。同校の誕生以来、周辺のバンビエンやサイソムボンの孤児学校2校は閉校となり、生徒らも全員新たな学校に移しているところだった。

「校舎や机、椅子、寮のベッド、全てが新しいものでしょう。かつて通っていた学校とは比べようがありません。本当に大好きです。これをご覧ください。上のほうは私のベッドです」

中学5年生のパターチョンフさん(19・女)は、得意になって8人が一緒に使う自分の部屋を披露した。パターチョンフさんは、自分の2段ベッドが大変気に入っている。彼女は、ラオスの少数民族「モン族」出身だ。少数民族の大半は、高山帯や奥地に住んでおり、教育機会に恵まれないケースが多い。

普通18歳になれば中学校を卒業するが、母親と暮らしている彼女は、経済的に貧しく、決まった年齢に入学することができず、同じ年頃の子供より学年が低い。

もう一つの少数民族であるヤオ族出身のムアイチェさん(14、女、中学2年生)は、「ベッドに慣れず、毎晩、一度はベッドから落ちるが、楽に寝ることができ、いいです」と話し、「一所懸命に勉強して、必ず国語(ラオス語)の先生になりたいですね」とにっこり笑った。

民族中等寄宿学校は、計6400平方メートルの敷地に、16棟の教室や76ルームの寮(1ルーム=8人)、収容規模=650人の食堂を備えているラオスでは珍しい現代式ビルだ。生徒の定員は計520人あまり。昨年12月まで、生徒295人が転校してきており、残りの生徒らは今年上半期に周辺学校から転校することになっている。教師は、校長を含め計45人。KOICAのボランティア団員4人が、栄養管理やコンピューター、作物栽培、音楽教育などを手分けして、ボランティア活動を行っている。

同校のトンデム校長は、「我が校は両親がいなかったり、貧しくて学べない子供らが通っているところであり、国の費用で全額負担している」と説明した。氏は、「中学の卒業だけで、子供らの人生は変わらない。さらに学ばなければならないが、金がなく、現実的には難しい」と目頭を熱くした。

ラオスの就学率はそれほど高くない。韓国・外交通商部の資料によると、小学校への就学率は07年基準で、全国平均が71%だ。中学校への就学率は急激に下がり、韓国の中学校に当たる前期3年は39%、高校に当たる後期3年は19%に止まっている。07年基準で、大学への進学率は2%に過ぎず、大学生全体数は3万7000人余りである。

記者が学校を離れようとすると、パターチョンフさんがそっと近づいてきた。彼女は、「願い事といえば勉強を続けることだけです。勉強を続けられる方法を見つけていただけますか」と聞いてきた。彼女はこの学校を卒業すれば、母親の面倒を見なければならず、自宅に帰らなければならない。

ラオスのソン・チュンギ・KOICA事務所長は、「KOICAは、民族中等寄宿学校の建設や国定教科書の支援事業のほかにも、ラオスが最貧国から脱出できるようにさまざまな支援事業を行っている」とし、「農村開発や保健医療、情報通信分野などに対し重点的に支援を行っている」と語った。KOICAは最近、ビエンチャンから車で2時間半ほど離れているボリカン地域の7つの村に、取水施設や浄水施設を備えた飲み水供給システムを建設したりした。



mhpark@donga.com