問題流出に続き、入試塾による講師の拉致・暴行事件まで明るみに出たことを受け、激しく動揺しているソウル江南(カンナム)のSAT学習塾業界。記者は2日午後11時、江南区道谷洞(ドゴクドン)のあるカフェで、SAT塾の講師と会った。同分野で3年ほどのキャリアを持っている金ソヨン氏(仮名)は約1時間半行ったインタビューで、悪事が後を絶たないSAT塾業界の現状について、淡々とした口調で打ち明けた。
金氏は、入試塾講師らの間で、問題紙の流出は長い間の慣行であり、その背後にはSAT試験に向け、海外出張まで塾院長が同行するなど、各塾の組織的支援があったという。
「最近、タイで問題を流出しようとして在宅起訴された金某氏だけでなく、読解や作文分野の有名講師なら皆、年に数回、タイなど、監督のずさんな東南アジアなどに出向き試験を受けました。問題確保に向けた古典的手法だが、「切り取り」が一番確実ですからね。最初から、塾の講師や院長が一緒に、海外に行くこともあります」。
金氏は、「塾講師の飛行機代やホテルの宿泊料など、試験を受けるための海外経費は、塾のほうで全て持つことになる」とし、「一人で海外に行く有名講師には、経費のほか、問題紙流出のリスク負担までを考慮し、高額の年収を払う」と言い切った。
金氏はいわゆる、「VIP」リストについても触れた。今回、問題となったR語学院を始め、大手塾には、以前からVIPリストがあります。財閥級やお金持ちの江南保護者らについての情報を手にし、予めVIPグループをふるいに掛けた後、彼らに対しては、数億ウォンを要求する代わりに、希望する大学への入学を保証します。きちんと授業を行ってそれを守ればよいのだが、便法で試験紙を手渡し、保証するやり方で行います。VIPとは、結局ほかならぬ試験紙を手渡すことですね」。
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