来年から学校で使用される高校の歴史教科書の検定に、近現代史の専門家が一人も参加していないことが分かった。歴史教科書は、全9単元のうち7単元が近現代史関連の内容だ。検定とは、民間の出版社で作成した教科書を学校で使用できるか、韓国教育課程評価院(評価院)が審査する過程をいう。
23日、歴史教育研究所と韓国近現代史学会によると、教科書検定機関の評価院が先月30日に公開した歴史教科書検証委員11人のうち、近現代史の専攻者は一人もいない。検定委員の教授6人のうち3人は、専攻が韓国史と関係がない。韓国史を専攻した3人も朝鮮史の専門家で、近現代史と関係がない。5人は一線の教師だ。彼らだけでなく、研究委員として参加した教授4人にも、近現代史の専攻者はいない。
韓哲昊(ハン・チョルホ)韓国近現代史学会長(東国大学教授)は、「一国の歴史教育を左右する教科書検定が、該当分野の専門家が参加せずに行われるとは、あきれたことだ。このままでは、歴史教科書への信頼を損なわざるを得ない」と指摘した。
しかし、評価院関係者は、「高校レベルの近現代史に対しては、専攻領域でない教授も十分な専門性を備えていると考えている。また、研究委員の教授4人のうち3人は専攻ではないが、大学で近現代史の教養講座を担当している。検定後に、国史編纂委員会で再び専攻者が監修するので問題にならない」と説明した。
一部では、今回のことは、教育科学技術部と評価院が無理にコードを合わせようとして起きたことだと指摘する。金ユクフン歴史教育研究所長(シンヒョン高校教師)は、「韓国の近現代史の専攻者は、相対的に進歩系が多い。政府寄りの人で検定委を構成しようとし、人選が難しかったのかもしれない」と主張した。
評価院は先月30日、09年度の改訂教育課程の新しい歴史教科書6つの検定を終えた。新しい教科書は、来年3月から全国の高校で使用される予定だ。
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