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習国家主席、ノーベル平和賞受賞できる

Posted June. 08, 2013 05:28,   

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3日付のフィナンシャル・タイムズに、「どうすれば安倍晋三首相はノーベル平和賞を受けることができるか」というタイトルのコラムが掲載された。タイトルにひかれて最後まで読んでみた。共同筆者である米海軍分析センターのジェームズ・クラッド・シニアアドバイザーとアトランティック・カウンシルのロバート・マニング上級研究員は、「日本が独島(ドクト、日本名・竹島)を韓国に譲歩すれば、1977年にエジプトのサダト大統領のイスラエル訪問や1972年のニクソン大統領の中国訪問に匹敵する善意の行動になるだろう」と主張した。2人は、独島を譲歩すれば日本に対する韓国人の考え方が変わり、安倍首相は有力なノーベル平和賞受賞候補になると指摘した。

韓国の領土である独島に対する日本の譲歩を言及することもあきれたことだが、たとえ日本の首相が独島領有権の主張を放棄するとしても、韓国の領土を韓国の所有と認める行為にすぎない。ノーベル平和賞云々するとはばかげている。独島問題の本質が分かっていない外国人の無責任な主張とあきれた文を載せた外国紙の軽薄さに怒りが込み上げる。

安倍首相はノーベル平和賞受賞を夢見ることもできないが、中国の習近平国家主席は候補になり得る指導者だ。習国家主席が前向きに意欲的に乗り出せば、アジアの最大の不安要因である北朝鮮の核を放棄させることもできるからだ。

実際、習国家主席の登場後、中朝関係が変わりつつある。中国は、北朝鮮の3度目の核実験後、中国内の北朝鮮の銀行口座を閉鎖するなど、独自の北朝鮮制裁を行なった。韓米が結束して強硬対応しているところに中国の態度まで変化したため北朝鮮は焦ったことだろう。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は先月、中国の心を取り戻すために、韓米首脳会談直後に崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長を特使として送ったが、習国家主席は3度も非核化を強調し、北朝鮮を萎縮させた。北朝鮮が米中首脳会談を控えて南北対話を受け入れたのも、焦りがあるからだ。北朝鮮としては、米中首脳が北朝鮮核を容認しないと堅く合意することを黙って見ていることはできないだろう。

習国家主席は、米国の専有物と考えられた中東紛争にも介入し始めた。中国は先月、イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長を同時に招待した。イスラエルとパレスチナ指導者の北京会談は実現しなかったが、中東平和のための仲裁者の役割を自任して出てきた。中国が特に関係のないイスラエル・パレスチナ紛争に介入すると、米国ではG2の1国として本格的な世界秩序再編の戦略を稼動したのではないか、という分析まで出ている。

中国の中東問題仲裁は馴染みがないが、北朝鮮問題の介入は皆が歓迎する。ケリー米国務長官は4月の韓中日歴訪の際、「中国は北朝鮮に影響力を行使できる唯一の国家だ」と繰り返し強調した。北朝鮮の対話受け入れは、韓米中首脳の結束を妨げようとする戦略でもある。そうだとしても、中国の圧力に北朝鮮が動揺するのは明白だ。習国家主席が挑発→対話→補償の悪循環を断ち切ると決心すれば、北朝鮮の変化の可能性は一層大きくなる。

今日と明日、カリフォルニア州のサニーランズで会談を行なうオバマ大統領と習国家主席は、影響力1、2位を争う世界で最強の指導者だ。オバマ大統領はすでにノーベル平和賞を受賞した。中国指導者が北朝鮮核のような難題解決に積極的に介入すれば、いくらでもノーベル平和賞を受けるだけの業績になる。

習国家主席には中朝首脳会談のカードがある。北朝鮮の核放棄と首脳会談を結びつければ、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に相当な圧力になるだろう。中国指導者が会わなければ、金第1書記は世界から見捨てられた境遇を受け入れざるを得ない。そうなると金第1書記の権力基盤も危うくなる。習国家主席が北朝鮮を一流国家に導き、核を放棄させるなら、毛沢東と頳小平を越える世界的な指導者の栄誉まで享受できる。