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歴史教科書8種中の7種が「アウンサン・テロ事件」に触れず

歴史教科書8種中の7種が「アウンサン・テロ事件」に触れず

Posted October. 09, 2013 05:55,   

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9日で30周期を迎える「ビルマ(現ミャンマー)アウン・サンテロ事件」が韓国社会では忘れられつつある。特に、歴史教科書では基礎的な事実さえ取り上げていない場合が殆どだった。

本紙が14年度高等学校歴史教科書8種を確認した結果、アウンサン爆破事件を言及した本は1種にすぎなかった。教学社(キョハクサ)で発刊した教科書は、「1983年10月9日、北朝鮮はミャンマーを訪問した全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領を刺殺するために、アウンサンの墓地に爆弾を設置して、徐錫俊(ソ・ソクジュン)副首相ら韓国人17人やミャンマー人4人を死亡させた」と書いた。残りの7種は、事件への言及が全くなかった。北朝鮮のまた別の代表的な国際テロの「1987年大韓航空858機爆破事件」も教学社で唯一取り上げられた。

他の教科書はほとんど、「北朝鮮の変化と平和統一に向けた南北の努力」といった単元で、1980年代以後の南北関係を説明し、和解協力に多くの比重を割いた。また、新軍部が5.18民主化運動を流血鎮圧した後、政権を握った過程を詳しく叙述した反面、全斗煥政府での南北関係に対しては紙面を殆ど割いていない点もアウンサンテロ事件にそっぽを向く理由に働いた。

北朝鮮の対南挑発が持続している状況で、このように「過去の主要事件」が忘れられるのを懸念する声が高まっている。治安政策研究所のユ・ドンヨル先任研究官は、「南北の国力の差のため、全面戦を起こし難い北朝鮮は特殊部隊を活用した非正規戦に集中するしかなく、その様相が強まっている」とし、「北朝鮮の挑発脅威に対する国内の認識が薄くなっているようで残念だ」と話した。アウン・サン事件を主導した北朝鮮軍偵察局は、09年2月ごろ、作戦局と合併されて国防委員会傘下の「偵察総局」に拡大再編された。

実際、北朝鮮が偵察総局を発足させた後、挑発の様相が過去と違って非妥協的な軍事冒険主義に流れる傾向が現れている。09年5月、北朝鮮は2次核実験に踏み切り、同年11月大青(テチョン)海戦を起こした。翌年3月、天安(チョンアム)艦爆沈、11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃まで、軍主導の武力挑発を続けた。

8種の教科書のうち、教学社を除いた殆どは、「西海岸で双方間の軍事的衝突」「天安艦・延坪島砲撃事件で南北関係が冷え込んだ」というふうに短く叙述した。3種は天安艦爆沈、延坪島砲撃への言及がなかった。