ネパールで、初の女性大統領が誕生した。
BBCは、「28日、ネパール下院で行われた大統領選出投票で、統合マルクスレニン主義ネパール共産党(CPN−UML)のビドヤ・デビ・バンダリ副総裁(54、女、写真)が、第2代大統領に選ばれた」と、29日付で報じた。これで、立憲君主国だったネパールは、2008年に共和制に移行した後、2番目の大統領であり、初の女性大統領時代を迎えることになった。
バンダリ次期大統領は、ネパールの伝統的家父長制社会と闘ってきた女性運動家だ。1979年から、共産党学生組織に加入し、王政反対運動を率いてきた。氏は1993年、夫のマダン・バンダリCPNーUML元書記長が疑惑の交通事故に遭ったあと、首都カトマンズから立候補し、当時のライバルだったクリシュナ・プラサド・バタライ元首相を破って当選して、政界に波紋を起こした。その後、2009〜2011年、国防長官を経て、今月11日に首相に選出されたCPN−UMLのカドガ・プラサード・シャルマ・オリ総裁(63)の側近として活動してきた。
氏は先月20日に採用された新しい憲法に、女性権利を保障する内容を明文化することに大きく貢献してきた人物と言われている。新憲法は、下院議員の3分の1を女性に割り振り、大統領と副大統領のうち一人は必ず女性でなければならないと釘を刺している。バンダリ次期大統領は、「ネパールの少数者や女性権利のために戦っていきたい」と約束した。しかし、ネパールでは実質的権限が首相にあるので、バンダリの役割はあまり大きくないだろうという見方も出ている。